本書は「技術書=技術の文字(テクニカル・ライティング)である。
しかし、だからといって、これは技術についての書というわけではない。技術そのものの中で機能する文字のことでもある。
メディア環境と人間の知の営みとの関係を問い続けてきた著者は、情報処理を独占していた文字というメディアが電信からコンピュータへと変容する過程を、技術解説ではなく、近代の表象システムそのものを解析するなかから反れた文学テキストが価値の体系や文化の在り様を解読するきっかけとなったことから、20世紀末のメディア環境の考察に通底するという著者の問題意識による。
本書では文字からアナログメディア、さらにはデジタルメディアにいたる歴史性をふまえ、ソフトウェアという仮象の正体を明らかにする。コンピュータをめぐる議論への新たな一石。
出版ニュース ’98.6 下
(B6判・366頁・3400円+税)
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